情報系資格保持者が挑むアパート経営は吉と出るか凶と出るか?

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情報系資格保持者が挑むアパート経営は吉と出るか凶と出るか?

情報系資格とアパート経営に一見、関りはなさそうです。しかし、本当に接点はないのか、両者が生み出すメリット・デメリットはないのかを紹介していきます。ITパスポートやCCENTの資格(いずれも取得は容易ですが)をもつ筆者がこの謎に迫ります。

情報系資格とは?

ニュースをはじめ日常生活でも聞かない・目にしない日がないITという言葉。そのITを活かすスキルが情報系資格なのですが。この情報系資格と一言でいっても、その種類はさまざまなのです。

ITに関する知識を問うたものやパソコンスキルの研鑽、もっと実務的なプログラミング言語にネットワーク環境の構築や保守、ソフトウェア開発など分野は膨大かつそれぞれの専門性は非常に高いです。

資格取得の難易度も、初心者でも容易に取得できるものもあれば、数年の実務経験をもつIT技術者がプライベートで勉強時間を設け、歳月をかけてやっと合格できるものなど多岐にわたります。

情報系資格とアパート経営の接点

ここまでの記述を読まずとも大半の方はお気づきかと思いますが、情報系資格とアパート経営の接点は皆無です。業界が全く違うのですから当然といえば当然の話です。そもそも日本の不動産業界はその不透明性が問題になっている業界です。

そのような意味では、情報公開が当たり前のIT分野とは対局の存在といってもよいでしょう。

(出典)JLL、ラサールインベストメントマネジメント
http://www.joneslanglasalle.co.jp/japan/ja-jp/news/244/transparency-index-2016
↑上位先進国と比較しても不動産業界の透明性が低い日本の不動産市場。

さらに、日進月歩のIT分野と比べてしまうと不動産業界というのは、どうしてもアナログ手法で時代遅れのような印象をもたれるでしょうし、事実そのような面はあります(勘違いしてほしくないのは、だからといって後発のプレーヤーが誰でも参入して勝てる市場、ということではありません。むしろ逆です)。

しかし、やはりというかこの古い業界体質の不動産市場にもITの波が押し寄せています。それを象徴するのが「不動産テック」です。Real Estate Tech略してReTechなどと呼ばれる、今注目の分野です。

(出典)リマールエステート株式会社、川戸温志、株式会社QUANTUMにより作成
https://i1.wp.com/limar.co.jp/wp-content/uploads/2017/06/RealEstate_ChaosMap.png

一言でいえば「不動産×IT」のことで、不動産のオープンデータやビッグデータを活用したビジネス、所有地のシェアサービスといった新しい取り組みを生んでいます。

話を戻しますが、これはあくまでビジネスの世界の話であって、IT・情報系資格自体に直接関係があるわけではありません。不動産業界の最新トレンドに資格は関係ないのです。

ただし、これらの新サービス開発などに携わる職の人間はIT・情報系資格をもっている人です。しかし資格を保持していようと、アパート経営においてはあくまでそのサービスの一利用者に過ぎません。となれば、そこに資格の有無はやはり関係ないのです。

まとめると、不動産業界にもITを活用したサービスが普及し始め、その開発・運用に関わる人は情報系資格を所持しているでしょうが、アパート経営や不動産投資においてはそのサービスの利用者に過ぎません。

とはいえ、資格取得できるスキルや能力自体は、アパート経営や不動産投資に活かすことができるでしょう。以下では、その部分にスポットを当ててメリット・デメリットを紹介していきます。

情報系資格がアパート経営にもたらすメリット・デメリット

・投資シミュレーションや計算はお手の物

情報系資格はパソコンスキルを伴う資格といっても過言ではありません。そこには論理的な思考が求められます。アパート経営初心者が空想しがちな、「だったらいいな」という表面利回りを計算結果として認めないでしょう。

経営のなかで考え得るさまざまなリスク(金利上昇・空き室発生・修繕費用・建物価値下落など)を列挙し、その費用を換算して計算に組み込んでいきます。あらゆるリスクを想定してシミュレーションを行うことで、条件に合う物件さえ見つければ不動産投資をかぎりなく成功に近づけることができます。

そういった点ではアパート経営において、最適なスキルをもっているといってよいかもしれません。

・トラブル絡みが基本となる人間関係が生じる

不動産仲介会社・不動産管理会社・融資担当者・司法書士・入居者・修繕業者パッと思いつくだけでもこれらの人たちとコミュニケーションを取る必要があります。業者と合わない、業者がよくなければまた別の人間と交渉していかねばなりません。

情報系資格をもつ人は営業のようにコミュニケーション能力を重視されるわけではありません。なにかトラブルが起きたときにこそ、大家はコミュニケーションを求められます。そのような点で大きなストレスになる可能性はあります。

まとめ

いかがでしたか。情報系資格自体はアパート経営に役立つことはないでしょうが、その過程で培われた力は不動産投資家に求められる資質の一つだといえるでしょう。



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